冷徹狼陛下の子を授かりました!
 二人の間に生まれた子供『レオン』が一歳を迎えた頃、そろそろ世間にも公表しようとしていた矢先、夫婦の乗る馬車が襲撃された。

 幼いレオンをエドワードに託して帰らぬ人となってしまう――

 敵国の襲撃なのか……

 でも、エドワードはある人を疑っていた。決して口には出せない相手。

 兄夫婦がある人物に呼ばれたと言って出掛けたのを、エドワードだけが聞かされている。

 ハウエルはその人物に口止めされていたが、愛するわが子を置いていくほどの呼び出しの相手だとエドワードにだけは密かに打ち明けていた。

 まさかの人物――

 その事件は、なぜか解決することなくうやむやにされてしまった。これをきっかけに、閉ざされた王国がさらに閉鎖的になったことはいうまでもない。

 そしてエドワードが国王としてやっと落ち着き、レオンが五歳を目前にした今、突然皇帝からの結婚の命令が下される。

 ウルフリア王国内で警戒が強められたのは言うまでもない。そこへ何も知らされずやって来たのがマリア。ある意味、一番の犠牲者だ。



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