冷徹狼陛下の子を授かりました!
 観念したのか、リリアン以外の二人がポケットからアクセサリーを出した。往生際の悪いリリアンをレオンがギロッと睨みつける。

「はぁ、一つくらいいいじゃない! こんな恐ろしい城で働いてるんだから」
「私達は、取るつもりはなくて、リリアンが!」
「うんうん」

 開き直った態度のリリアンを見て、あとの二人が仲間にされては困るとばかりに、リリアンの罪を擦りつけた。

「あんた達!」
「仲間割れなら城の外でやって下さい。直ちに出て行ってもらえますか」
「ふん、せいせいするわ」
「「そんな……」」

 強気のリリアンと対照的に職を失って困っている二人……

 レオンが三人を追い出している。

「すみません。人選ミスでした」
「え?」
「レオン様にずっと言われていたんです」
「何をですか?」
「リリアンをマリア様の担当から外すようにと……。何かを感じておられたようです」
「レオン……」
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