冷徹狼陛下の子を授かりました!
「今回、マリア様を連れて行くと言い出したのは陛下です!」
「……ええっ!」
「驚きますよね! 私も同じ反応をしましたから」

 マテオが嘘を言っているように見えないが、エドワードがそんな提案をするだろうか? にわかには信じがたい。

 何か思惑があるのだろうか……

 マリアは、自分が誹謗中傷される覚悟はある。ただ、皇帝陛下もいる前で、エドワードに恥をかかせるわけにはいかないのだ。

 それでも、未来へ進むには避けて通れない道なのだろう――

「陛下がいいと仰るのなら、私も覚悟を決めます」

 強い眼差しで断言したマリアを見て、マテオはエドワードの判断に納得する。

 いよいよ決戦の火蓋が切られた――
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