冷徹狼陛下の子を授かりました!
「⁉」
男性は、目を見開いてマリアに抱かれているレオンを見ている。
「マテオ様?」
先程の使用人と同じ反応だ。マテオと呼ばれた男性は使用人に呼ばれて我に返る。
「レオン様をだ、抱かれているので驚いてしまって……。失礼いたしました。私、エドワード陛下の側近のマテオと申します」
「マリアです。よろしくお願いします」
「では、私はこれで」
案内してくれた使用人は、自分の役わりは終わったとばかりにそそくさと去って行った。途端に辺りは静まり返って緊張感が漂う。
「レオン様のことはお聞きになりましたか?」
「陛下の甥っ子だと聞きました。子犬と思ったら狼族の……」
「はい。狼族の血を引いています。陛下の兄で前陛下のお子様です。狼族は警戒心が強くなかなか懐かないのですが、不思議ですね」
「……」
マテオの言葉にマリアは内心でドキッとしていた。実は、マリアには誰にも知られていない能力がある。それは実の父親にも知られていなかった。
男性は、目を見開いてマリアに抱かれているレオンを見ている。
「マテオ様?」
先程の使用人と同じ反応だ。マテオと呼ばれた男性は使用人に呼ばれて我に返る。
「レオン様をだ、抱かれているので驚いてしまって……。失礼いたしました。私、エドワード陛下の側近のマテオと申します」
「マリアです。よろしくお願いします」
「では、私はこれで」
案内してくれた使用人は、自分の役わりは終わったとばかりにそそくさと去って行った。途端に辺りは静まり返って緊張感が漂う。
「レオン様のことはお聞きになりましたか?」
「陛下の甥っ子だと聞きました。子犬と思ったら狼族の……」
「はい。狼族の血を引いています。陛下の兄で前陛下のお子様です。狼族は警戒心が強くなかなか懐かないのですが、不思議ですね」
「……」
マテオの言葉にマリアは内心でドキッとしていた。実は、マリアには誰にも知られていない能力がある。それは実の父親にも知られていなかった。