白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
「そんなことも知らなかったあんたじゃ話になんねえから、もう引っ込んでろ。ここからは俺が話を進めさせてもらうが……」
わたしの動揺に付け込んで強引に主導権を握ろうとするジークさんの暴挙を止めたのは旦那様だった。
「それはおかしいですね。リーダーが引退すればサブリーダーがリーダーに自動昇格することになっていますから、現在ロイパーティーのリーダーはヴィーさんです。パーティー名はリーダーの名前を付けるのが基本ですが、引退などの理由でリーダーが入れ替わる場合は、パーティー名を変更しても、そのままでもどちらでもいいという規則もあります」
その通りだ。
さすがは冒険者協会の会長なだけはある。
「今回はロイパーティーの要請でこの会合を開いているわけですから、たとえ前のリーダーが引退していたとしても発言権が無いということはあり得ません」
低い声で静かに不快感を示す旦那様の発言で、さすがのジークさんも黙ってしまった。
旦那様のナイスなフォローのおかげで元気を取り戻したわたしも声を上げる。
「地下50階まで到達しているのはロイパーティーだけです。わたしに大きな顔をされるのが嫌なら、協力はしていただかなくて結構です」
主導権を渡すものですか!
「それでラスボスをクリアできると思ってんのかよ」
ジークさんに憮然とした顔で問われて、思わず口を噤んでしまった。
地下50階のボスはサイクロプスだけではないはずだ。
最終的にはラスボスが登場するはずだが、それがどの程度の強さなのか予想すらできない。
「確かに、ジークさんとその取り巻きがいたほうが、討伐はラクだよね」
横からユリウスさんの穏やかな声が響く。
ちょっと、ユリウスさん! どっちの味方なのよう。
取り巻きって言い方は、なにげに小馬鹿にしている感じが出ていて笑っちゃうけど。
客観的に考えると、ユリウスさんの発言は的を射ていると思う。
当然のことながら、強い人がたくさんいたほうが討伐がラクだし成功率も高い。
でも、信頼関係がないことにはどうにもならない。
大人数のパーティーが連携もとれずにバラバラではダメなのだ。
わたしの動揺に付け込んで強引に主導権を握ろうとするジークさんの暴挙を止めたのは旦那様だった。
「それはおかしいですね。リーダーが引退すればサブリーダーがリーダーに自動昇格することになっていますから、現在ロイパーティーのリーダーはヴィーさんです。パーティー名はリーダーの名前を付けるのが基本ですが、引退などの理由でリーダーが入れ替わる場合は、パーティー名を変更しても、そのままでもどちらでもいいという規則もあります」
その通りだ。
さすがは冒険者協会の会長なだけはある。
「今回はロイパーティーの要請でこの会合を開いているわけですから、たとえ前のリーダーが引退していたとしても発言権が無いということはあり得ません」
低い声で静かに不快感を示す旦那様の発言で、さすがのジークさんも黙ってしまった。
旦那様のナイスなフォローのおかげで元気を取り戻したわたしも声を上げる。
「地下50階まで到達しているのはロイパーティーだけです。わたしに大きな顔をされるのが嫌なら、協力はしていただかなくて結構です」
主導権を渡すものですか!
「それでラスボスをクリアできると思ってんのかよ」
ジークさんに憮然とした顔で問われて、思わず口を噤んでしまった。
地下50階のボスはサイクロプスだけではないはずだ。
最終的にはラスボスが登場するはずだが、それがどの程度の強さなのか予想すらできない。
「確かに、ジークさんとその取り巻きがいたほうが、討伐はラクだよね」
横からユリウスさんの穏やかな声が響く。
ちょっと、ユリウスさん! どっちの味方なのよう。
取り巻きって言い方は、なにげに小馬鹿にしている感じが出ていて笑っちゃうけど。
客観的に考えると、ユリウスさんの発言は的を射ていると思う。
当然のことながら、強い人がたくさんいたほうが討伐がラクだし成功率も高い。
でも、信頼関係がないことにはどうにもならない。
大人数のパーティーが連携もとれずにバラバラではダメなのだ。