白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
いよいよラスボス戦です!
ついに我がロイパーティーの、そしてマーシェスダンジョンの全ての冒険者たちの悲願であるラスボス戦に挑む日がやって来た。
討伐隊はかなりの人数であるため、わたしひとりだけではとてもじゃないけど統率は取れない。
部隊を分けてその部隊ごとにサブリーダーを任命し、事前に各々の役割と作戦をきちんと全員に周知済みだ。
物理攻撃部隊は人数が多いため、サブリーダーのトミーさんの下にさらにハットリとジークさんをつけている。
ゴリゴリの重撃グループのほうはジークさんの担当で、動きが素早く遊撃を兼ねるグループがハットリの担当だ。
今回は盾役は編成していない。
ラスボスの前哨戦となるサイクロプスは体格差がありすぎて盾が意味をなさないためだ。
ボスの陽動や引きつけが必要な時は、ハットリの遊撃グループがそれを担う。
魔術師部隊はエルさん、遠距離部隊はユリウスさんで、回復役《ヒーラー》と戦闘補助《バッファー》はビアンカさんがサブリーダーとなっている。
総指揮を執るわたしはアタッカーと魔術師の間に立ち、攻撃もしながら戦況を見定めて指示を出す。
くまーは戦場を駆け回ってもらって、足りないアイテムの補充をしてもらう。
無理はしないこと。
そしてもしも撤退となった場合は、各グループ、部隊のメンバー全員が部屋を出るのを見届けてからリーダーが撤退することも申し合わせた。
冒険者協会の裏側にある広場に集まって作戦の最終確認をして檄を飛ばしてダンジョンへと向かう。
そんなわたしたちを、協会の職員や街中の人たちが声援とともに見送ってくれた。
本来ならばアタッカー部隊に入るはずのトールさんがエルさんと同じ魔術師部隊に加わるのは、エルさんのリアルの立場を考慮すればまあ仕方ないとして、ひとつだけ想定外なことがあった。
なんと冒険者協会の会長自ら、つまり旦那様が討伐に同行すると言い出したことだ。
そもそも協会の職員がダンジョンの討伐に加われるのかと聞いたところ、もちろんだと即答された。
職員が冒険者になってはならないという規定はないらしい。
「そうでなければ今度のクラーケンの討伐会にだって参加できないだろう?」
涼し気な顔で言われて、そういえばそうだったと納得した。
クラーケンの討伐会に一緒に参加しようと旦那様に誘われたことを思い出した。
「ということは、登録カードもお持ちなんですね?」
念のため尋ねると、ドヤ顔でカードを見せてくれた。
登録日はつい先日で、登録名は「会長」。
そのまんまな名前に笑ってしまった。
旦那様の魔力の凄まじさは知っているけれど、いざ実戦となった時に果たしてその実力が発揮できるかは未知数で、逆にお荷物になる可能性もある。
しかし旦那様は、わたしがまた無茶をするかもしれないからと言って譲らなかった。
表向きの目的は協会長として傍でラスボス戦を見守ることだが、実はわたしが心配だということだろうか。
前回のことがあるから心配ご無用だとは言えないし、嬉しいような恥ずかしいような何とも複雑な気持ちになってしまう。
とにかくわたしの後ろに居続けることと、逃げてと言ったらすぐに部屋から出ることを強く約束してもらった。
討伐隊はかなりの人数であるため、わたしひとりだけではとてもじゃないけど統率は取れない。
部隊を分けてその部隊ごとにサブリーダーを任命し、事前に各々の役割と作戦をきちんと全員に周知済みだ。
物理攻撃部隊は人数が多いため、サブリーダーのトミーさんの下にさらにハットリとジークさんをつけている。
ゴリゴリの重撃グループのほうはジークさんの担当で、動きが素早く遊撃を兼ねるグループがハットリの担当だ。
今回は盾役は編成していない。
ラスボスの前哨戦となるサイクロプスは体格差がありすぎて盾が意味をなさないためだ。
ボスの陽動や引きつけが必要な時は、ハットリの遊撃グループがそれを担う。
魔術師部隊はエルさん、遠距離部隊はユリウスさんで、回復役《ヒーラー》と戦闘補助《バッファー》はビアンカさんがサブリーダーとなっている。
総指揮を執るわたしはアタッカーと魔術師の間に立ち、攻撃もしながら戦況を見定めて指示を出す。
くまーは戦場を駆け回ってもらって、足りないアイテムの補充をしてもらう。
無理はしないこと。
そしてもしも撤退となった場合は、各グループ、部隊のメンバー全員が部屋を出るのを見届けてからリーダーが撤退することも申し合わせた。
冒険者協会の裏側にある広場に集まって作戦の最終確認をして檄を飛ばしてダンジョンへと向かう。
そんなわたしたちを、協会の職員や街中の人たちが声援とともに見送ってくれた。
本来ならばアタッカー部隊に入るはずのトールさんがエルさんと同じ魔術師部隊に加わるのは、エルさんのリアルの立場を考慮すればまあ仕方ないとして、ひとつだけ想定外なことがあった。
なんと冒険者協会の会長自ら、つまり旦那様が討伐に同行すると言い出したことだ。
そもそも協会の職員がダンジョンの討伐に加われるのかと聞いたところ、もちろんだと即答された。
職員が冒険者になってはならないという規定はないらしい。
「そうでなければ今度のクラーケンの討伐会にだって参加できないだろう?」
涼し気な顔で言われて、そういえばそうだったと納得した。
クラーケンの討伐会に一緒に参加しようと旦那様に誘われたことを思い出した。
「ということは、登録カードもお持ちなんですね?」
念のため尋ねると、ドヤ顔でカードを見せてくれた。
登録日はつい先日で、登録名は「会長」。
そのまんまな名前に笑ってしまった。
旦那様の魔力の凄まじさは知っているけれど、いざ実戦となった時に果たしてその実力が発揮できるかは未知数で、逆にお荷物になる可能性もある。
しかし旦那様は、わたしがまた無茶をするかもしれないからと言って譲らなかった。
表向きの目的は協会長として傍でラスボス戦を見守ることだが、実はわたしが心配だということだろうか。
前回のことがあるから心配ご無用だとは言えないし、嬉しいような恥ずかしいような何とも複雑な気持ちになってしまう。
とにかくわたしの後ろに居続けることと、逃げてと言ったらすぐに部屋から出ることを強く約束してもらった。