メールチェッカー 【2】
わかっていたくせに、気付かぬふりでやり過ごしていた、貴美香の気持ち。
自分にはそれに応えられるだけの想いを持ち合わせていない。
はっきりとそう言えればよかったのに。
断るのはかわいそうだと情けが先に立つあまり、見ないふりをしていた。
自分に気持ちが向いていないのを感じていたであろうに、相変わらず徳田のことを諦めない貴美香に、意地でも小春を紹介させようと必死だった。
ようやく小春とつきあえるようになった時も、「これからも時々は三人で会おうよ」と食い下がる貴美香を、少し煩わしくすら感じたっけ――。
自分の弱さを隠すために、貴美香の気持ちを踏みにじった罰かもしれない。
暗闇に煌々と灯るコンビニの看板を見上げながら、徳田は強く唇を噛みしめた。