メールチェッカー 【2】
「……人の彼女をこんな風に言いたくないけど。
小春は何も言わない分、何を考えてるか分からなくて、時々怖いことがあるんだ。
あんたとのことも、ノロケもしなければ愚痴も一切なくて。
あたしとだって何となく一緒にいるけど、実際は小春がどう思ってるのかわからないもの。
けど――これではっきりしたかな。
あたしのことはもはや敵だとしか思ってないみたいね。
……今後は三人で会うのは勿論、あたしとあんただけで会うのもよした方がいいかも」
膝をきつく抱えた貴美香の目に、涙が滲む。
やがて小さな粒が頬を伝い、アスファルトに浸透していく様子を徳田はただ見つめることしかできなかった。
……貴美香の姿が、今日はやけに小さく見える。
□ 独占欲 □ / 完