メールチェッカー 【2】
夢を語りすぎると、結婚を迫ってるようで恥ずかしい。
それに、あまり希望を押しつけては、和輝のプレッシャーになってもいけない。
現実的に話をするなら、家なんか持たなくたっていい。
住む場所は、狭いマンションだってボロアパートだって構わないのだ。
自分の一番の望みは、和輝の笑った顔をずっと側で見ること。
微力ながら和輝を支えられる、いつまでもそんな存在でありたい――。
「……環と結婚する人は幸せだな。そんな風に思ってくれる女性、今はなかなかいないよ。
結婚に対して、自分の生活の安定を求めるだけってのも多いからな。
男ならみんな、そんなかわいい環の気持ちに応えたいって思って頑張れると思うよ」
そう言って和輝はくしゃり、と環の頭を撫でた。
目を細め、優しく静かに髪に指を滑らせる。