メールチェッカー 【2】

いつしか眠っていた環。

手から滑り落ちた携帯が、バイブの振動で床を震わせていた。


待ちこがれていた返信。

目をこすり、飛びつくように携帯を掴んで開く。




『遅くなってごめんな。久々にゆっくりしてるよ!』


いつもとさして変わらぬ簡易的なメールだった。

絵文字を入れることも滅多になく、シンプルな内容なのは普段からだ。


だが、今日に限ってはどうしても疑いの眼差しを向けてしまう。


なんだかそっけない――。

久しぶりの実家だし、もしかしたら、誰かと会っているのだろうか。

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