さみしがりやは、だぁれ?


「見た?今日も一人でさ」
「見た見た、ポツンってね」
「なんで学校にきてるんだろうねぇ」

「「「寂しがり屋なのかなぁ?」」」


ヒソヒソ話し声が絶えないのは、
2年3組のクラスだ。

男子も女子も仲が良いと先生たちに言われ、その言葉をどこか誇らしく思うクラスメイトたちは、今日も噂話に精を出す。


「でも所構わず人に話しかけるらしいよ」
「えー、こわぁ。迷惑だよね」
「つーか怖くね?」

「「「いくら友達がいなくて一人だからってさ」」」


一番前の席から、一番後ろを眺める女子三人。

窓から入る風が生ぬるい五月。入学を終えた全員が、クラスに馴染み始めた頃。

彼、あるいは彼女たちは、暇つぶしの種を探す。

< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop