さみしがりやは、だぁれ?
「見た?今日も一人でさ」
「見た見た、ポツンってね」
「なんで学校にきてるんだろうねぇ」
「「「寂しがり屋なのかなぁ?」」」
ヒソヒソ話し声が絶えないのは、
2年3組のクラスだ。
男子も女子も仲が良いと先生たちに言われ、その言葉をどこか誇らしく思うクラスメイトたちは、今日も噂話に精を出す。
「でも所構わず人に話しかけるらしいよ」
「えー、こわぁ。迷惑だよね」
「つーか怖くね?」
「「「いくら友達がいなくて一人だからってさ」」」
一番前の席から、一番後ろを眺める女子三人。
窓から入る風が生ぬるい五月。入学を終えた全員が、クラスに馴染み始めた頃。
彼、あるいは彼女たちは、暇つぶしの種を探す。
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