さみしがりやは、だぁれ?
「せっかく名前を呼んでくれたんだし、一緒に遊ぼう?」
「はぁ?なんで?
別に友達として呼んだわけじゃないけど?」


言うと、さみこちゃんは、ピクリと口角を上げたまま固まる。そして高いところから水風船を落とすみたいに、すごい勢いで口がへの字に変わった。


「なんで?ねぇなんで?
一緒に遊んでくれないの?
遊ぶために呼んだんじゃないの?」
「は、は……?
ちょっと、あんた。頭おかしいって。笑えないから」

「やだよ、一緒に遊ぼうよ。
せっかく〝出てきた〟んだし。
遊んでくれるまで追いかけるから」
「は、あ?」


出てきた?
追いかける?

ただの生徒が、ただの生徒に言う言葉でないと気づいた彼女。さみこちゃんの異様さに、心臓が早鐘を打つ。


「あんた、本当にどうかしてる!
来ないで、やだ……やめて!」
「フフフ、やめてあげない。
せっかくのオトモダチだもん。
これからずっと一緒に、遊ぼうね」


冷たすぎる手を両頬にそえられ、ついに彼女は「ヒッ」と短い悲鳴をあげる。同時に、ビクンと体が動いた。


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