恋がしたいなら、ネタバレ禁止!~自分の幸せを最優先して、すべてぶちまけた悪役令嬢ですけど何か文句あります?~

 未来の王太子妃となるならと選ばれるからには、容姿だって派手だけど優れているし、ディルクージュ王国随一と呼ばれるほどに権勢を誇り、裕福なアラゴン公爵家に生まれている。

 これで、王太子ランベルト様とはご縁は切れてしまっても、私は後悔しない。

 すごく好きになったのに婚約破棄されて、お先真っ暗な不幸になって死んでしまうより、断然ましだもの。


◇◆◇


「……それでは、これより、今年度の卒業式を執り行う!」

 ランベルト様の宣言により、乙女ゲーム舞台だった貴族学校の卒業式は始まった。

 ここ三年間ほど私は普通の貴族令嬢として普通の学生生活を過ごし、特に取り巻きなども作ることなく健全な友人関係を作って、悪役令嬢であったならあり得ないほどに楽しい学生生活を謳歌していた。

「……あら。イリーナ様。飲み物がなくなっているのではなくて?」
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