恋がしたいなら、ネタバレ禁止!~自分の幸せを最優先して、すべてぶちまけた悪役令嬢ですけど何か文句あります?~
王太子なのに、婚約者も選べずになんと不自由な……と、前世の記憶を持つ私は思ってしまうけれど、そういう政治的な意味を持つ側面があるから、彼と私と政略結婚するだったのだ。
「……ですが、私は殿下の婚約者にはなりたくありません」
ここは自らの主張を、ハッキリさせておこうと思った。
ランベルト様は正統派メインヒーローで、誠実で真面目で一途な性格。だとしたら、私を婚約者にすると恋愛感情はないけれど、大事にしとこうと思うでしょう?
そして、彼のことを好きになった私は、嫉妬に狂う悪役令嬢になるの。ヒロインエリサは悪くないのよ。彼女の登場に嫉妬に狂ったイリーナがエリサを虐めて、それをランベルト様が助ける悪循環。
これが、すぐそこにある悲劇。回り回っても悲劇になるなら、開始しなければ良いのよ。回避したいと思うことは、ごく自然な事のはずよ。
「……だが、そのエリサという女性がいずれ現れるという確証は、何かあるのか? 君の話はやけに具体的なようだが、彼女についての情報が、あまりにも少なすぎる」
ランベルト様は私の話を聞いて、エリサの存在が気になってしまったようだ。そして、私も彼の主張を聞いていてとあることに気がついた。
そうよ。エリサは別に異世界転移ヒロインではないのだから、今から迎えに行けば良いのだわ。
「ええ。エリサという女の子は、今は辺境の村に居ます。だから、ランベルト様がすぐにでも迎えに行けば良いと思いますわ。そうすれば、彼女と婚約すれば良いのです。いずれお二人は結婚するのですから」