恋がしたいなら、ネタバレ禁止!~自分の幸せを最優先して、すべてぶちまけた悪役令嬢ですけど何か文句あります?~
これは、ランベルト様が人外とも言えるほどに魅力的な男性でないと成立しない。しかし、乙女の夢を体現している彼はそれだけの多大な魅力を、創造主という神より与えられていた。
「……それは、君が僕の事を、激情と呼べるほどに好きでないと、成立しない事のように思うんだが」
「ええ。私とランベルト様が婚約すると、そうなってしまいます。そこまで、おかしくなるくらいに激しく好きになってしまうのです。ですので、私と婚約することを避けて欲しいのです。どうかお願いします」
よく考えれば凄いことを言っている気はするけれど、事実なのだから仕方ない。すんなりと言葉を返し、私はランベルト様の青い目をじっと見てお願いをした。
それを聞いた彼は、これからどうするべきかと悩んでいるのか、無言のままで見返してくる。
しかし、私はここで引き下がる訳にはいかない。
不幸な未来しか待って居ない悪役令嬢になんて、絶対になりたくない。
ここはもう王太子と婚約するしかないなどという方々から掛かる圧になど、負ける訳にはいかない。
「ああ……わかった。しかし、ただこうして話しただけでは到底信じらるような話ではない。君の話の裏は、細かく取らせてもらう。イリーナの知っている限りの情報を、僕に提供してくれ」
ランベルト様はため息をついてそう言い、主張が認められた私は、思わず手を叩いて喜んだ。
良かったわ! ……私は悪役令嬢イリーナ・アラゴンに転生したけれど、無事に悪役令嬢ではなくなった。
立場的にイリーナがとても美味しい事は、誰も否定しないでしょう。