エリート海上自衛官の最上愛
芽衣と晃輝がふたりでいられる道なんて……。
「そんな方法あるとは思えません」
彼が海上自衛官である限り船に乗ることは避けられないだろう。しかも芽衣は、彼には船に乗っていてほしいという矛盾する気持ちを抱えているのだ。
必ず父親を越えるという決意を口にした時の眼差しと、色を変える世界中の海をいつまでも見ていられると言った時の彼の綺麗な瞳が、大好きなのだから。
「まだ俺にもどうすればいいかわかっているわけではないよ。芽衣ひとりだけに負担がかかる方法はダメだし。それでも俺は諦めない」
晃輝が強い決意を口した。
「愛してるんだ、芽衣。君の過去を知ってから、君のためになるならば別れるべきなのかもしれないとも思った。今も君はそうしてほしいと言う」
親指が芽衣の涙を拭った。
「だけどそれはできない。君に出会って俺の世界は変わったんだ。もう芽衣なしの人生は、俺には考えられない」
芽衣だって同じ気持ちだ。彼に出会い、人を愛することを知った。彼がいない世界で生きていくということに絶望を感じている。
「晃輝さん、でも……」
「芽衣、俺が必ず見つけ出すよ。君と生きられる方法を」
「だけど……」
「俺たちはまだ出会ったばかりじゃないか。お互いにお互いのことをもっと知れば、絶対に見つかるはずだ」
強い決意を口にして、彼は芽衣の両肩を掴み力を込めた。その強い眼差しに、芽衣の心が少し揺れる。
そんな道はないと頭ではわかっているのに、彼ならば見つけてくれるかもれないという希望のような光を見る。
たとえ見つからなかったとしても、はじめから諦めて真っ暗な道をひとりで歩くよりはいいのではないだろうか。
お互いにお互いを知ったその先に、なにがあるのか、まったく予想もつかないけれど……。
「……それは晃輝さんにとって、負担にはなりませんか?」
思わずそう問いかけてしまう。少しだけ見えた希望の光を掴みたいと願っている自分がいる。
「力になる」
晃輝が言い切った。
「俺にとってはそれが必要だ。大袈裟だと思われるかもしれないが、俺は君とともに人生を歩むために生まれてきたと感じるくらいだよ」
ともに人生を歩むために生まれてきた。
その言葉を、芽衣は大袈裟だとは思わなかった。
まだ出会ったばかりでお互いのことをよく知らない。
それなのに、こんなに強く惹かれるのは、彼なしの人生はあり得ないと感じるのは、運命なのだと思うくらいだった。
いずもを背にしていた制服姿の晃輝を目にした時の、強い衝動が芽衣の胸に蘇った。自分の過去を考えれば、決して好きになってはいけない人。
「そんな方法あるとは思えません」
彼が海上自衛官である限り船に乗ることは避けられないだろう。しかも芽衣は、彼には船に乗っていてほしいという矛盾する気持ちを抱えているのだ。
必ず父親を越えるという決意を口にした時の眼差しと、色を変える世界中の海をいつまでも見ていられると言った時の彼の綺麗な瞳が、大好きなのだから。
「まだ俺にもどうすればいいかわかっているわけではないよ。芽衣ひとりだけに負担がかかる方法はダメだし。それでも俺は諦めない」
晃輝が強い決意を口した。
「愛してるんだ、芽衣。君の過去を知ってから、君のためになるならば別れるべきなのかもしれないとも思った。今も君はそうしてほしいと言う」
親指が芽衣の涙を拭った。
「だけどそれはできない。君に出会って俺の世界は変わったんだ。もう芽衣なしの人生は、俺には考えられない」
芽衣だって同じ気持ちだ。彼に出会い、人を愛することを知った。彼がいない世界で生きていくということに絶望を感じている。
「晃輝さん、でも……」
「芽衣、俺が必ず見つけ出すよ。君と生きられる方法を」
「だけど……」
「俺たちはまだ出会ったばかりじゃないか。お互いにお互いのことをもっと知れば、絶対に見つかるはずだ」
強い決意を口にして、彼は芽衣の両肩を掴み力を込めた。その強い眼差しに、芽衣の心が少し揺れる。
そんな道はないと頭ではわかっているのに、彼ならば見つけてくれるかもれないという希望のような光を見る。
たとえ見つからなかったとしても、はじめから諦めて真っ暗な道をひとりで歩くよりはいいのではないだろうか。
お互いにお互いを知ったその先に、なにがあるのか、まったく予想もつかないけれど……。
「……それは晃輝さんにとって、負担にはなりませんか?」
思わずそう問いかけてしまう。少しだけ見えた希望の光を掴みたいと願っている自分がいる。
「力になる」
晃輝が言い切った。
「俺にとってはそれが必要だ。大袈裟だと思われるかもしれないが、俺は君とともに人生を歩むために生まれてきたと感じるくらいだよ」
ともに人生を歩むために生まれてきた。
その言葉を、芽衣は大袈裟だとは思わなかった。
まだ出会ったばかりでお互いのことをよく知らない。
それなのに、こんなに強く惹かれるのは、彼なしの人生はあり得ないと感じるのは、運命なのだと思うくらいだった。
いずもを背にしていた制服姿の晃輝を目にした時の、強い衝動が芽衣の胸に蘇った。自分の過去を考えれば、決して好きになってはいけない人。