エリート海上自衛官の最上愛
「ああ、そんなに心配せんでいいよ。命には別状がないそうだから。だが、それ以上の情報はわからんのでとりあえず俺は病院に行ってくるよ。入院となれは家族の付き添いも必要かもしらんし」

「わ……私も一緒に行っていいですか?」

 考えるより先に芽衣はマスターにそう頼んでいた。もしかしたら、マスターは自分に店のことを頼みに来たのかもしれないということが頭を掠める。けれどこの状況でそれができる自信はなかった。

 どの程度の怪我なのだろう?
 意識はあるのだろうか? 

 少しでも近くで彼の状況を知りたかった。

「マスター、お願いします!」

「もちろんだよ、芽衣ちゃん。だからこうして知らせに来たんだ。車を出すから準備できたら下りてきてくれ」

 マスターの言葉に芽衣は震えながら頷いた。

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