エリート海上自衛官の最上愛
「頭が真っ白になっちゃって……」
うつむいてそう言うと、たくましい腕に包まれる。
「大丈夫だ。君の想いは全部受け止めると言っただろう。だが、だからこそそんな君をこのまま帰すわけにはいかない。三日は無理でもせめて今日だけは一緒にいてほしい」
耳もとで囁かれる大好きな低い声音に、彼に会えたら伝えたいと思っていたことが頭の中を駆け巡る。怖い知らせが来た時は最悪の事態も頭をよぎった。やはり彼の仕事は危険と隣り合わせなのだと実感したのだ。
けれど。
彼の背中に腕を回して、芽衣もギュッと力を込める。彼の存在を確かめる。
——帰ってきてくれた。
必ず帰るという約束を彼は守ってくれたのだ。その彼に聞いてもらいたい。
もう迷わないと決めた、揺るがない芽衣の決意を。
「晃輝さん」
顔を上げて呼びかけると、晃輝が少し意外そうな表情になる。さっきまでの芽衣とは、少し違うと気がついたようだ。
静かな眼差しで自分を見つめる彼に向かって、芽衣は決意を込めて口を開いた。
「私、晃輝さんにお話したいことがあるんです」
うつむいてそう言うと、たくましい腕に包まれる。
「大丈夫だ。君の想いは全部受け止めると言っただろう。だが、だからこそそんな君をこのまま帰すわけにはいかない。三日は無理でもせめて今日だけは一緒にいてほしい」
耳もとで囁かれる大好きな低い声音に、彼に会えたら伝えたいと思っていたことが頭の中を駆け巡る。怖い知らせが来た時は最悪の事態も頭をよぎった。やはり彼の仕事は危険と隣り合わせなのだと実感したのだ。
けれど。
彼の背中に腕を回して、芽衣もギュッと力を込める。彼の存在を確かめる。
——帰ってきてくれた。
必ず帰るという約束を彼は守ってくれたのだ。その彼に聞いてもらいたい。
もう迷わないと決めた、揺るがない芽衣の決意を。
「晃輝さん」
顔を上げて呼びかけると、晃輝が少し意外そうな表情になる。さっきまでの芽衣とは、少し違うと気がついたようだ。
静かな眼差しで自分を見つめる彼に向かって、芽衣は決意を込めて口を開いた。
「私、晃輝さんにお話したいことがあるんです」