エリート海上自衛官の最上愛
 芽衣は必死で自分の状況を説明するが、その間も晃輝の攻撃は止まらない。芽衣の頬にキスをして、耳を甘く噛み、首筋に鼻を寄せる。さっき芽衣を軽々と抱き上げていた日焼けした腕ががっちりと芽衣を閉じ込めている。

 大きな手が芽衣の髪に差し込まれる感覚に芽衣は声が漏れそうになるのを堪えた。

「俺はそのままの君が好きだ。なにもしてなくても可愛いよ」

 芽衣の髪に顔を埋めて心地良さそうに呟いた。

「だけど……」

「もちろん、決心がつかないならすぐにやめる。俺は芽衣の気持ちを大切にすると決めている。だから本当の気持ちを聞かせてほしい。俺にこうされるのは嫌?」

 大好きな彼の声音に問いかけられて、芽衣は自分の奥のなにかがとろけだすのを感じていた。

 芽衣だってずっと彼とこうしたかった。この温もりに身を任せたいと思っていた。彼がいない日々の中でひとり胸につのらせた恋しい想い。それが一気に溢れ出す。

「や、じゃないです……。私も……晃輝さんとこうしたかっ……ん」

 その言葉は最後まで言わせてはもらえなかった。はじめから深く入り込む彼に芽衣も夢中ですがりつく。さっきまでの恥じらう気持ちがないわけではないけれど、彼が欲しくてたまらなくなっていく。

「嫌じゃないなら、もう待たない。ずっとこうしたかったんだ。今すぐに芽衣を俺のものにする」

 普段の優しくて理性的な彼からは想像もできないほど強引な言葉に、芽衣の胸は熱くなる。こんなにも求められているのだという喜びに頭の中が支配される。

 たくましい腕にしがみつき熱いキスを受け止める。

 背中に感じる少し冷たいシーツの感覚にベットに寝かされたのだと気がついた。

「芽衣、愛してる。大好きだ。怖いことはなにもしないから大丈夫」

 大きなベットに横たわる芽衣に、彼は愛の言葉と熱いキスの雨を降らせる。

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