エリート海上自衛官の最上愛
 その手が、芽衣の服の中に侵入して、芽衣から奪い去ろうとする。ひんやりとした空気を素肌に感じて、芽衣は思わず声をあげた。

「あ……ダ、ダメ」

 いくらここが薄暗いとはいえ、昼間であることは変わりない。お互いの姿ははっきりと見える。この状況で服を脱ぐ勇気は芽衣にはなかった。

 晃輝に掴まれたTシャツを、身体に腕を巻きつけてギュッと抑えた。

「恥ずかしいので、見えないように……お願いします」

 芽衣はそう懇願する。服を着たまま、なんておかしなことを言っている自覚はある。けれどそもそも芽衣にとってはこんな昼間からこうなることがイレギュラーなのだ。怖いことをしないと約束してくれたのだから聞き入れてくれるはず……。

 晃輝がTシャツを掴んだまま、ふっと笑った。

「芽衣、それは逆効果だ。そんなに真っ赤になって可愛くお願いされて、やめる男はどこにもいない」

 そう言って再び、芽衣からTシャツを奪おうとする。

「そ、そんな……! こ、怖いことはしないって言ったのに」

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