エリート海上自衛官の最上愛
 窓の外はとっぷりと日が暮れて月が浮かんでいる。それを綺麗だなと思っているうちにいつのまにか目を閉じていたようだ。

 頬が少しくすぐったく感じて目を開くと、目の前に晃輝がいた。どうやら片付けを終えたようだ。

「あ……! すみません。私……寝て……」

「ん、ベッドに行こうか? ここだと身体が痛くなる」

 穏やかに微笑んで彼は芽衣の隣に腰を下す。芽衣の髪を大きな手で優しく梳く。

「すみません……」

「謝る必要はないよ。ゆっくりしてればいいって言ったじゃないか」

「でも……」

"片付けてもらっているのに、寝るなんてあり得ない"と言おうとした芽衣の唇は、晃輝の唇で塞がれる。

「ん……」

 突然の甘い感覚に芽衣は目をパチパチさせて口を閉じた。

「悪いけど慣れてくれ。これから俺と過ごす時の芽衣はこんな感じだ」

 そう言って彼は、耳にもちゅっとキスをする。芽衣は困って眉を下げた。

「こんなの慣れそうにありません……」

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