エリート海上自衛官の最上愛
手記
「これです」
芽衣の部屋のベッドに並んで座り、芽衣は晃輝にみおの手記を差し出した。
怪我をした晃輝をマンションまで送っていきそのまま一日を過ごした後、彼の部屋へ泊まった次の日である。
昨夜、彼が準備してくれたカレーを食べた後、再び愛を確かめ合ったふたりは、目覚めると朝から近くのスーパーで買い物をした。今度は芽衣が彼に手料理を振るまいたかったからである。
彼からのリクエストは、煮魚。芽衣は、それに合う青菜のお浸しと卵焼きにお味噌汁で芽衣オリジナルの煮魚定食にすることにした。
彼のマンションのキッチンで少し緊張しながら調理をする芽衣を、晃輝は終始ニコニコとして見ていた。
『考えてみれば俺、芽衣が料理をするところを見るのははじめてなんだな』
そして、芽衣が作った簡単な昼食を背筋を伸ばして手を合わせ米粒ひとつ残さずに食べてくれたあと、芽衣の部屋へやってきたのである。
古くて脆くなっている糸が解けないように、晃輝はそっとページをめくる。
カタカナ混じりの中身を見てふっと笑った。
「ほとんどレシピじゃないか」
芽衣もくすくす笑った。
「そうなんです。多分、はじめはうみかぜでの出来事を書き残しておくつもりだったけど、いつのまにかレシピばっかりになってしまったんじゃないかな……と。こんなところもなんか親近感を覚えてしまって」
晃輝が笑いながら頷いた。
「芽衣みたいだな」
芽衣は木の箱の中から、みおの写真を取り出した。
「この端の方がみおさんです」
「これは……。本当にそっくりだな」
芽衣の部屋のベッドに並んで座り、芽衣は晃輝にみおの手記を差し出した。
怪我をした晃輝をマンションまで送っていきそのまま一日を過ごした後、彼の部屋へ泊まった次の日である。
昨夜、彼が準備してくれたカレーを食べた後、再び愛を確かめ合ったふたりは、目覚めると朝から近くのスーパーで買い物をした。今度は芽衣が彼に手料理を振るまいたかったからである。
彼からのリクエストは、煮魚。芽衣は、それに合う青菜のお浸しと卵焼きにお味噌汁で芽衣オリジナルの煮魚定食にすることにした。
彼のマンションのキッチンで少し緊張しながら調理をする芽衣を、晃輝は終始ニコニコとして見ていた。
『考えてみれば俺、芽衣が料理をするところを見るのははじめてなんだな』
そして、芽衣が作った簡単な昼食を背筋を伸ばして手を合わせ米粒ひとつ残さずに食べてくれたあと、芽衣の部屋へやってきたのである。
古くて脆くなっている糸が解けないように、晃輝はそっとページをめくる。
カタカナ混じりの中身を見てふっと笑った。
「ほとんどレシピじゃないか」
芽衣もくすくす笑った。
「そうなんです。多分、はじめはうみかぜでの出来事を書き残しておくつもりだったけど、いつのまにかレシピばっかりになってしまったんじゃないかな……と。こんなところもなんか親近感を覚えてしまって」
晃輝が笑いながら頷いた。
「芽衣みたいだな」
芽衣は木の箱の中から、みおの写真を取り出した。
「この端の方がみおさんです」
「これは……。本当にそっくりだな」