エリート海上自衛官の最上愛

晃輝

 晃輝のマンションは繁華街からほど近い便利な場所にあった。

 マスターから住所を聞いて辿りついた芽衣は広いエントランスに少し驚く。ひとり暮らしだというから、てっきり単身者用のマンションなのかと思ったがファミリー層向けの、大きなマンションだったからだ。

 広いエントランス中を見回して居住者用のポストを探していると、オートロックの扉が開いて晃輝が出てきた。

 驚く芽衣のところへやってくる。

「親父からメッセージが届いたから。ありがとうございます」

 わざわざお礼を言いに下りてきたのだ。

「いえ、どうせ買い物に出てくるつもりでしたから」

 鞄から手帳を出して晃輝に渡す。

 彼は受け取りしばらく考えてから口を開いた。

「少しお聞きしたいことがあるんですが。ちょっとお時間をいただいても?」

 意外な申し出に芽衣は驚きながら頷いた。

「ありがとう、どうぞ」

 彼についてオートロックの中に入ると空調も効いていてソファが置いてある一角がある。居住者が来訪者と少し落ち着いて話をするための場所だろう。

「向かいのカフェでもいいんですが、あっちは人目につきやすいから。俺はいいけど、秋月さんがなにか言われると申し訳ないし」

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