一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
「やー、今日はたいへんだったね。芽衣ちゃんが来てから一番忙しかったんだったんじゃない?」
客足が落ち着いた午後一時半、マスターが、カウンターに芽衣のまかないを置いてそう言った。
「そうですね、ここまでははじめてです。ちょっとびっくりしました」
芽衣はマスターが芽衣のために作ってくれたオムライスを前に、いただきますと手を合わせる。
うみかぜは普段から常連客で賑わっているけれど、ここまでの忙しさははじめてだ。いつもの顔ぶれに加えて、芽衣がはじめて見る顔もいた。マスターは親しく話をしていたから、常連客ではあるはずだが。
「何かあったんでしょうか?」
首を傾げると、マスターがにっこり笑って窓の外に視線を移す。そして眩しそうに目を細めた。
「『いずも』が帰ってきたからだよ」
つられて芽衣もそちらを見る。晴れ渡った青い空の元、街の向こうに広がる海上自衛隊の横須賀基地にグレーの船が停泊している。
この街へ来て数カ月の芽衣にとっては、はじめて見る巨大な船だ。
「いずも……?」
「横須賀基地を母港とする海上自衛隊の護衛艦だよ。戻ってくるのは数カ月ぶりだな。乗船していた隊員たちが久しぶりに上陸したんだろう。休暇に入ってさっそく来てくれるのが嬉しいね」
ここうみかぜに来る客は、ほとんどが横須賀基地所属の海上自衛官なのである。
迎えるマスターこと衣笠(きぬがさ)昌史(まさし)も元海上自衛官で、将来は幹部になることが確実と目されていたエリートだった。
どういう事情があって退官したのか不明だが、今は基地を見下ろすこの場所で、定食屋うみかぜを経営している。
うみかぜは、日々厳しい訓練に耐える若い隊員たちが美味しいご飯をお腹いっぱい食べられるようにとの思いからマスターが開いた店で、メニューはどれも量が多く、ご飯はおかわり自由なのだ。
客足が落ち着いた午後一時半、マスターが、カウンターに芽衣のまかないを置いてそう言った。
「そうですね、ここまでははじめてです。ちょっとびっくりしました」
芽衣はマスターが芽衣のために作ってくれたオムライスを前に、いただきますと手を合わせる。
うみかぜは普段から常連客で賑わっているけれど、ここまでの忙しさははじめてだ。いつもの顔ぶれに加えて、芽衣がはじめて見る顔もいた。マスターは親しく話をしていたから、常連客ではあるはずだが。
「何かあったんでしょうか?」
首を傾げると、マスターがにっこり笑って窓の外に視線を移す。そして眩しそうに目を細めた。
「『いずも』が帰ってきたからだよ」
つられて芽衣もそちらを見る。晴れ渡った青い空の元、街の向こうに広がる海上自衛隊の横須賀基地にグレーの船が停泊している。
この街へ来て数カ月の芽衣にとっては、はじめて見る巨大な船だ。
「いずも……?」
「横須賀基地を母港とする海上自衛隊の護衛艦だよ。戻ってくるのは数カ月ぶりだな。乗船していた隊員たちが久しぶりに上陸したんだろう。休暇に入ってさっそく来てくれるのが嬉しいね」
ここうみかぜに来る客は、ほとんどが横須賀基地所属の海上自衛官なのである。
迎えるマスターこと衣笠(きぬがさ)昌史(まさし)も元海上自衛官で、将来は幹部になることが確実と目されていたエリートだった。
どういう事情があって退官したのか不明だが、今は基地を見下ろすこの場所で、定食屋うみかぜを経営している。
うみかぜは、日々厳しい訓練に耐える若い隊員たちが美味しいご飯をお腹いっぱい食べられるようにとの思いからマスターが開いた店で、メニューはどれも量が多く、ご飯はおかわり自由なのだ。