一途な海上自衛官は時を超えた最愛で初恋妻を離さない~100年越しの再愛~【自衛官シリーズ】
「こちらこそ、マスターにはお世話になっております」
芽衣もぺこりと頭を下げた。
「芽衣ちゃん、さっきも言ったがこいつは俺の息子、晃輝だ」
簡単な紹介を終えると、マスターは日替わり定食でいいかと晃輝に確認してから、厨房の中へ戻っていった。
芽衣がオムライスを食べおえると、晃輝のための定食ができあがる。それを彼の元へ持っていくと、手を合わせて食べはじめる。あっという間に平らげて会計を済ませると彼はさっさと帰っていった。
静かに閉まる扉を見て芽衣は少し意外な気持ちになっていた。晃輝は食事をする間、マスターとほとんど話をしなかった。数カ月ぶりの親子の再会としてはやや素っ気ないように思えたからだ。
「珍しいですね、衣笠一尉がうみかぜに来られるなんて」
レジで会計をしている客がマスターに向かって言った。
「まぁ、ほとんど来ないね。長期で家を空ける前と、帰ってきた時くらいかな。芽衣ちゃん、悪いね。無愛想な息子で」
「いえ、そんな私はべつに」
晃輝の食器を片付けていた芽衣は、手を止めて首を横に振った。
マスターとの会話の少なさには驚いたが、彼自身から嫌な印象は受けなかった。
芽衣が定食を運んでいくとはっきりとした声で『ありがとう』礼を言われたし、食事姿は背筋が伸びてきれいだった。
今片付けている食器類も米粒ひとつ残っておらず箸も揃えられている。芽衣が片付けやすいようにお冷のグラスは盆の上に乗せてあった。
仕事柄、食事をする人や食べた後の様子を目にすることが多い芽衣とってはむしろ好印象だ。
客が目を輝かせて、勢い込む。
芽衣もぺこりと頭を下げた。
「芽衣ちゃん、さっきも言ったがこいつは俺の息子、晃輝だ」
簡単な紹介を終えると、マスターは日替わり定食でいいかと晃輝に確認してから、厨房の中へ戻っていった。
芽衣がオムライスを食べおえると、晃輝のための定食ができあがる。それを彼の元へ持っていくと、手を合わせて食べはじめる。あっという間に平らげて会計を済ませると彼はさっさと帰っていった。
静かに閉まる扉を見て芽衣は少し意外な気持ちになっていた。晃輝は食事をする間、マスターとほとんど話をしなかった。数カ月ぶりの親子の再会としてはやや素っ気ないように思えたからだ。
「珍しいですね、衣笠一尉がうみかぜに来られるなんて」
レジで会計をしている客がマスターに向かって言った。
「まぁ、ほとんど来ないね。長期で家を空ける前と、帰ってきた時くらいかな。芽衣ちゃん、悪いね。無愛想な息子で」
「いえ、そんな私はべつに」
晃輝の食器を片付けていた芽衣は、手を止めて首を横に振った。
マスターとの会話の少なさには驚いたが、彼自身から嫌な印象は受けなかった。
芽衣が定食を運んでいくとはっきりとした声で『ありがとう』礼を言われたし、食事姿は背筋が伸びてきれいだった。
今片付けている食器類も米粒ひとつ残っておらず箸も揃えられている。芽衣が片付けやすいようにお冷のグラスは盆の上に乗せてあった。
仕事柄、食事をする人や食べた後の様子を目にすることが多い芽衣とってはむしろ好印象だ。
客が目を輝かせて、勢い込む。