エリート海上自衛官の最上愛
現実と過去
晃輝の功績
「芽衣、お前休み決めたのかよ。チケットの早割期間過ぎたじゃんか」
午後八時半を過ぎたうみかぜにて、カウンターに座って生姜焼き定食を食べている直哉が不満そうにそう言った。
いつもならこの時間は少し人が減りだすのだが、今日はまだワイワイガヤガヤとしている。
「直くん、私はおばちゃんと休みを合わせるって言ったじゃない。おばちゃん今年はお盆は休みじゃないんだって。だから秋にずらそうかと思ってるの。マスターにもそう話してて」
彼のお冷を継ぎ足しながら、芽衣は答えた。
「時期をずらすって九月か? なら俺もその頃に休みを取るようにするよ。いつだ?」
「そこまでしてもらわなくて大丈夫だって。おばちゃんの休みがわかるのが、もう少し後になるんだもん。直くん、直前じゃ休めないでしょう」
そんな話をしていると、窓ぎわの客席から声があがる。なにやら盛り上がっているようである。
「えー! その話、マジですか?」
「ショック。デマであることを願う……!」
内容まではわからないが、噂話をしているようである。そのうちのひとりが振り返り芽衣に向かって口を開いた。
「芽衣ちゃん、イベントの日の夜、衣笠一尉と食事してたって本当?」
よく通る大きな声で尋ねられて、芽衣は思わずお盆を取り落としてしまいそうになってしまう。彼らの話の内容がまさか自分と晃輝のことだとは思わなかった。
「え⁉︎ えーっと……」
どう答えればいいのかわからなくて言い淀む。とはいえ、嘘をつくわけもいかず、頷いた。
「……はい」
「マジかー」
「夢敗れる!」
午後八時半を過ぎたうみかぜにて、カウンターに座って生姜焼き定食を食べている直哉が不満そうにそう言った。
いつもならこの時間は少し人が減りだすのだが、今日はまだワイワイガヤガヤとしている。
「直くん、私はおばちゃんと休みを合わせるって言ったじゃない。おばちゃん今年はお盆は休みじゃないんだって。だから秋にずらそうかと思ってるの。マスターにもそう話してて」
彼のお冷を継ぎ足しながら、芽衣は答えた。
「時期をずらすって九月か? なら俺もその頃に休みを取るようにするよ。いつだ?」
「そこまでしてもらわなくて大丈夫だって。おばちゃんの休みがわかるのが、もう少し後になるんだもん。直くん、直前じゃ休めないでしょう」
そんな話をしていると、窓ぎわの客席から声があがる。なにやら盛り上がっているようである。
「えー! その話、マジですか?」
「ショック。デマであることを願う……!」
内容まではわからないが、噂話をしているようである。そのうちのひとりが振り返り芽衣に向かって口を開いた。
「芽衣ちゃん、イベントの日の夜、衣笠一尉と食事してたって本当?」
よく通る大きな声で尋ねられて、芽衣は思わずお盆を取り落としてしまいそうになってしまう。彼らの話の内容がまさか自分と晃輝のことだとは思わなかった。
「え⁉︎ えーっと……」
どう答えればいいのかわからなくて言い淀む。とはいえ、嘘をつくわけもいかず、頷いた。
「……はい」
「マジかー」
「夢敗れる!」