punk guy, play guy
んン゛っ、と咳で誤魔化すも首裏をかりかり。意味もなく
掻きながら、結局もーいっかいオンナに視線を合わせなおしたオレは、
ちょいちょい。と人差し指で呼び込んで、
「ちょ付き合って」
「はい?」
「あんた追っかけたせいでキョーのお魚ちゃん、ゲットし損ねたンだよ」
「知りませんよそんな事」
うん、・・・・まア、ごもっともだ。
「……したら、…名前は?」
「は?」
「イーからイーから」
「…………か。海屋 花…です」
あ〜…。
「わあーったわぁった。トイレの、「鼻⤵︎子」ちゃんね」
「イントネーションが「トイレのハナコさん」じゃなくて「鼻」になってるのはわざとですか?」
オレのひと言に余計に腹を立てちまったらしい目の前のオンナは、
勝ち気に、ハの字眉を吊り上げるとフンッ!と鼻息荒くそっぽ向く。
これ以上、悪態の交換をしても荒い言葉になる自覚をしたのか。
くるりと踵を返し、オレに背を向けた「鼻子ちゃん」は駅とは逆の方面を
そのままさっさと、立ち行こうとするンで、つい。
そのツレなさに好奇心かきたてられ、ハンッと口角を吊り上げてしまう。
へえ・・・・・おもしれえオンナ。