punk guy, play guy
3.





 ♢♦︎♢





 花 focus.





 ────…ごく気まぐれに参加する事になった合コン。


 同期である彼女たちに、「居るだけでいい」と誘われ、数合わせのためだけに
 お呼ばれしたものだから、

 そんなに深くは考えずに参列してしまったのがそもそもの間違いだった。



 合コン(あの日)以降────、わたしはとある野蛮そうな男に、付き纏われている。




───────────
──────




 「────ねエ」

 「…」

 「ねエって〜」


 「ちょっと……、っついて来ないで下さい」


 「ンじゃあ付き合ってヨ」

 「お断りします」

 「ええ〜…」



 「ええ〜」とダルそうに切り返しておきながら、彼はさっきから
 わたしの後ろをうろちょろ、うろちょろとついて来るのが、心底、

 ・・・・・・目障りなのだ。



 海外の俳優がかけていそうな、若干、時代遅れのような気もするサングラスで
 こなれたように目元を覆い隠し。

 口もとだけで含んだ笑みを携えながら、その妖艶な(おもて)は惜しげもなく
 晒している。


 半分、ウルフカットに整えられた今時のお洒落さがまた、鼻につくというか。

 それだけ人を惹きつける顔立ちをしていながら、自身には無頓着なのか、
 顎には特徴的な顎髭がうすく残されていた。




 ・・・・・・わざと?

 わざと剃り残しているのかしら、・・・・。



 太く男性らしい首から下がるのは、雫型の控えめなアクセサリーと。

 Vネックの白シャツに、羽織るだけのスカジャン。


 その下は、ダメージジーンズに黒の編み上げブーツと、
 ごく、端的に言えば、彼のもともとの素材を生かすような割とシンプルな装いではある。



 その上、ちょっと(────否、かなり)アブナげな雰囲気が滲み出ているので
 俗世間の女性たちにとっては好物以外の何者でもないだろう。
 

 ただ、一般論では。

 わたしは、論外として。




 (・・・・・・勘弁してほしい)


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