punk guy, play guy
♢♦︎♢
────…ドフッ!!
ガンっっ、
ドカッ!!!
「ぁあ゛っ!!………っウごッ、!」
────ごろごろ
ごろゴロロろ、────…
・・・・・なまじ仕留め損ねたか。
そんな戯れ言を、タールの高え味といっしょに、口内に濁していきながら
滑り、落下していく肉体に向けて冷笑を飛ばした。
石畳の坂下を、土管みてえに重々しくスッ転がってく血と、肉の塊を足蹴にしてたせいで
キニイリの革靴の先端についちまった血反吐が、また、"オレ"を穢す。
「あ〜ああ」なんてザマだ
このオレのスーツをギットギトに汚しやがって。────ンな口をついてでたのが
嘆息ばかりなのも
コイツにとっちゃあ
一種の救いなンだろうが、
・・・・・・そう、やすやすは問屋が卸さねえよなア。
テメえはこの界隈で
タブーを犯しちまったんだからよ。
サク、ザク、
カツンっ。
「ひぇ、っへぇっ!!ユルシてくれッ、ッハ…、…違うっ、違うんだ!!おれは言われた通りにしただけだっっ、何も知らねえ!頼むっっ赦してくれェェっ、……エッ、エッェーーっ」
・・・・あーーったく嫌んなっちまうな薄汚えおっさんの焦げた泣きザマは。
禿げた頭を石畳に擦りつけてエグエグ嘔吐かれてもこっちゃあ仕事なんだよ。
泣いて縋ると、助けてもらえるとでも本気でオモッてんのかねえ。
第一、謝るぐれえなら・・・・・、
ガシッ、
「ヒィッーーー!?!!!」
手を出すなヤ────甘ったれ
が。
「────…オッサン、淫売はヨロしくねえなあー?あんた表社会っ側ではおエラいお役職さんなんじゃねえの?若いオンナの子で遊ぶのは、
………いただけねえよなあ」
「ひぇっ、ひぇえ、しゅみ、しゅみマセぇん、っっゆるし、赦しぇェエエっ」
黒革の手袋越しとはいえ気分のイイモンではねえ引っ掴んだ頭蓋骨の肉塊を、撫でまわしてやりながら、
「そうかそうかモウ、シねえかあ?ん?」とガキをあやすような口ぶりで
男を覗き込むように首を傾げれば、赤黒い顔面が一瞬、呆け。
「はっ!はひっ!!」潔い返事で首をこれでもかってほど
ぶんぶん、上下に振ってみせる。
・・・・・・・────ッハ。とんだ面の皮だなコイツ。