punk guy, play guy
・・・・・かったりいなオイさっきまで熟女を相手にしてた
ばっかでメッチャ眠いーんだよオレ。
そンナ言文一致みてえな愚痴を独白のナカだけでボヤきながら
視線は、よれよれに帰ってくオヤジの後ろ姿のお見送り。
クアッとこぼした欠伸で眠気覚まし代わりに、男を見届ければ
あとは
"向こう"のケツモチで
オレの知るところじゃねえ。
「…さてどースッかねえ」
────…煙草を口端に咥えカチン、と慣れた指捌きでZippoのフタを
開けたり閉めたりの指遊びしながら、柱に背を預け、宙を仰ぐ。
満点の星。
宵の帳。
明日は────…来ねえ、
オレは、
────…フツーの人間みてえに"過去"や"将来"に陶酔して足掻く性分でもねえ。
正直キョーミねえってのが第一に然り。
もう大半は、目の前の"イマ"にしか動機が湧かねえってのも一理ある。
ホイールを親指で回し、着火させたソレを両手で囲いながら
顔を近づけ煙草の先端に火を灯し
キャップを閉じる。
ジジジィ、なんて短くカスが燃えてく微音に聴覚傾け肺ぜんたいに吸い込んだ
苦味と、煙臭さはもう馴染みきったもんだ。
しかしかつての、咽せかえるような記憶の断片が蘇ってくれば
無意識に、左目が疼いちまうのも忌々しい。
────…向こう街と裏街を繋ぐブリッジの"境界線"を監視する、世間でいうところの【番人】。
そのボーダーラインを跨いだ素人を制裁すンのが、両者の橋渡しになる【番人】の役目。
オレはソの、
・・・・グレーゾーンを請け負ってる。
中立のグレーゾーンってのは存外、組織に属すよりはずっと気楽で、
案外、奔放にやってノける職業柄っつー自負はあるが。
通常の人間がそうは考えらンねえのは、"安定"に守られた、
そこそこに生きてける
生活枠を求めてる所以にもあンだろう。