人質生活を謳歌していた虐げられ王女は、美貌の公爵に愛を捧げられる
こうして反乱から約2週間が経った頃、満を持してお披露目を兼ねた舞踏会が王宮で開かれることとなった。
この舞踏会にはユルラシア王国のほぼ全貴族が集結している。
「皆さんもご承知の通り、王家の腐敗ぶりに憂いた者たちにより先般反乱が起こりました。その結果、王家は追放され、新国王陛下には王位継承権第2位であり公爵であったロイド・ブライトウェル様が就任される運びとなりました。本日は新国王陛下の就任式およびお披露目を執り行います」
司会進行を務めるアランが朗らかな声で耳を澄ませる貴族たちに語りかけた。
拍手で迎えられた私は壇上に立ち、降り注ぐ視線を感じながら背筋を伸ばす。
そしてゆっくりとした口調で一言一言に力を込めて言葉を繰り出した。
「この度、新国王に就任することになったロイド・ブライトウェル・ユルラシアだ。私はこの国をより良くするために邁進して来られた叔父である前国王陛下の意志を継ぎ、この国に住むすべての者が豊かで幸せに暮らせるよう尽力していきたいと思う。平和な治世を紡いでいくつもりだ。ぜひ皆の力も貸してもらいたい」
宣言するように所信表明をすると、集まった貴族たちからワッと歓声が上がる。
その様子を壇上から見渡していたら、ある親子の姿が目に留まった。
それはアリシア様の父であるリズベルト王国の国王と、妹である第二王女だった。
実は今回は同盟国であり、アリシア様の母国であるリズベルト王国からも王族を招待していたのだ。
拍手と歓声が落ち着いてきたのを見計らい、私は再び口を開く。
本日もう一つ全貴族に向かって宣言しておきたいことがあったのだ。
……ここからが私にとっての本題だ。
「続いて、皆にはもう一つ報告がある。承知の通り、我が国は先般のリズベルト王国との戦争の後に同盟を結ぶことになった。その同盟の証として王族同士が婚姻を結ぶこととなっており、約1年前より先駆けて我が国にはリズベルト王国の第一王女アリシア様が滞在されている。私が国王に就任するにあたり、アリシア様と婚姻し、王妃に迎えることとする。結婚式は近日中に執り行う予定だ」
この発言に貴族たちは一堂に騒めき出す。
情勢からこの展開を予想していた者、全く不意打ちに感じた者、私の婚姻に嘆き叫ぶ令嬢など反応は様々だ。
反乱の際に侍女と入れ替わっていたことで王宮のごく一部の者にはアリシア様の素顔を知る者が増えたが、まだ大半の貴族は知らないため「あの醜い王女とロイド様が婚姻するのか……」と私を哀れむような声が多かった。
この舞踏会にはユルラシア王国のほぼ全貴族が集結している。
「皆さんもご承知の通り、王家の腐敗ぶりに憂いた者たちにより先般反乱が起こりました。その結果、王家は追放され、新国王陛下には王位継承権第2位であり公爵であったロイド・ブライトウェル様が就任される運びとなりました。本日は新国王陛下の就任式およびお披露目を執り行います」
司会進行を務めるアランが朗らかな声で耳を澄ませる貴族たちに語りかけた。
拍手で迎えられた私は壇上に立ち、降り注ぐ視線を感じながら背筋を伸ばす。
そしてゆっくりとした口調で一言一言に力を込めて言葉を繰り出した。
「この度、新国王に就任することになったロイド・ブライトウェル・ユルラシアだ。私はこの国をより良くするために邁進して来られた叔父である前国王陛下の意志を継ぎ、この国に住むすべての者が豊かで幸せに暮らせるよう尽力していきたいと思う。平和な治世を紡いでいくつもりだ。ぜひ皆の力も貸してもらいたい」
宣言するように所信表明をすると、集まった貴族たちからワッと歓声が上がる。
その様子を壇上から見渡していたら、ある親子の姿が目に留まった。
それはアリシア様の父であるリズベルト王国の国王と、妹である第二王女だった。
実は今回は同盟国であり、アリシア様の母国であるリズベルト王国からも王族を招待していたのだ。
拍手と歓声が落ち着いてきたのを見計らい、私は再び口を開く。
本日もう一つ全貴族に向かって宣言しておきたいことがあったのだ。
……ここからが私にとっての本題だ。
「続いて、皆にはもう一つ報告がある。承知の通り、我が国は先般のリズベルト王国との戦争の後に同盟を結ぶことになった。その同盟の証として王族同士が婚姻を結ぶこととなっており、約1年前より先駆けて我が国にはリズベルト王国の第一王女アリシア様が滞在されている。私が国王に就任するにあたり、アリシア様と婚姻し、王妃に迎えることとする。結婚式は近日中に執り行う予定だ」
この発言に貴族たちは一堂に騒めき出す。
情勢からこの展開を予想していた者、全く不意打ちに感じた者、私の婚姻に嘆き叫ぶ令嬢など反応は様々だ。
反乱の際に侍女と入れ替わっていたことで王宮のごく一部の者にはアリシア様の素顔を知る者が増えたが、まだ大半の貴族は知らないため「あの醜い王女とロイド様が婚姻するのか……」と私を哀れむような声が多かった。