人質生活を謳歌していた虐げられ王女は、美貌の公爵に愛を捧げられる
◇◇◇
反乱により王座を得たロイド・ブライトウェル・ユルラシアは賢王として名を馳せ、その治世は過去に類を見ないほど豊かで平和なものだったと後世に伝わる。
その国王の隣には常に、美しく聡明な王妃アリシアがいた。
王妃アリシアは多才なことでも知られ、特に斬新な発想には定評があったらしく、この時代の王族女性には珍しいことに国王と共に様々な施策を打ち出したそうだ。
特に貧困対策への思い入れが強かったようで取り組みが盛んであったと伝わっている。
また外国語に堪能だった王妃は積極的に外交にも取り組み、特にユルラシア王国に並ぶ大国のタンガル帝国とは深い親交を築き、これにより貿易が活発になった。
さらに王妃の母国であるリズベルト王国とは、同盟を機に定期的に騎士団の合同演習をするようになり、双方の国の武力向上に繋がった。
これは王妃と親交が深かったと言われる鬼神と名高い騎士団長が中心となっていたと言われている。
当時副団長だった彼は自国を捨て敬愛する王妃の側に仕えたかったらしく何度も直談判したそうだが、国王ロイドにことごとく却下され、叶わなかったゆえに騎士団長の地位に登り詰め合同演習でなんとか繋がりを保ったという一説もあるが真偽のほどは定かではない。
仲睦まじかった国王夫妻には、結婚翌年には跡取りとなる男児が誕生した。
その後も子宝に恵まれて、最終的には3人の王子と2人の王女をもうけている。
父と母になってからもその仲の良さは変わらず、国王の王妃への溺愛ぶりは子供たちも時に呆れるほどだったという。
国王就任時に側妃は娶らず一生王妃を愛し抜くと宣言した国王は、その言葉通り、生涯王妃のみを愛した。
先に王妃が亡くなると、後を追うように国王も息を引き取り、ユルラシア王国は悲しみに暮れたそうだ。
2人の没後、両親の愛情と熱心な教育を受けて育った第一王子が国王の座に就き、他の弟妹たちの支えも得て、立派に父の治世を引き継いだ。
ユルラシア王国はその後も長く歴史を紡いだ国であるが、国王ロイドと王妃アリシアの時代が長い歴史を持つこの国のすべての原点であり、現代においても見習うべき取り組みが多数見受けられると後世の歴史学者たちは見解を述べている。
さらに、全歴史学者たちは満場一致で口を揃えて言う。
国王ロイドと王妃アリシアの治世にユルラシア王国で生きた民は幸せであっただろう、と。
〜END〜
反乱により王座を得たロイド・ブライトウェル・ユルラシアは賢王として名を馳せ、その治世は過去に類を見ないほど豊かで平和なものだったと後世に伝わる。
その国王の隣には常に、美しく聡明な王妃アリシアがいた。
王妃アリシアは多才なことでも知られ、特に斬新な発想には定評があったらしく、この時代の王族女性には珍しいことに国王と共に様々な施策を打ち出したそうだ。
特に貧困対策への思い入れが強かったようで取り組みが盛んであったと伝わっている。
また外国語に堪能だった王妃は積極的に外交にも取り組み、特にユルラシア王国に並ぶ大国のタンガル帝国とは深い親交を築き、これにより貿易が活発になった。
さらに王妃の母国であるリズベルト王国とは、同盟を機に定期的に騎士団の合同演習をするようになり、双方の国の武力向上に繋がった。
これは王妃と親交が深かったと言われる鬼神と名高い騎士団長が中心となっていたと言われている。
当時副団長だった彼は自国を捨て敬愛する王妃の側に仕えたかったらしく何度も直談判したそうだが、国王ロイドにことごとく却下され、叶わなかったゆえに騎士団長の地位に登り詰め合同演習でなんとか繋がりを保ったという一説もあるが真偽のほどは定かではない。
仲睦まじかった国王夫妻には、結婚翌年には跡取りとなる男児が誕生した。
その後も子宝に恵まれて、最終的には3人の王子と2人の王女をもうけている。
父と母になってからもその仲の良さは変わらず、国王の王妃への溺愛ぶりは子供たちも時に呆れるほどだったという。
国王就任時に側妃は娶らず一生王妃を愛し抜くと宣言した国王は、その言葉通り、生涯王妃のみを愛した。
先に王妃が亡くなると、後を追うように国王も息を引き取り、ユルラシア王国は悲しみに暮れたそうだ。
2人の没後、両親の愛情と熱心な教育を受けて育った第一王子が国王の座に就き、他の弟妹たちの支えも得て、立派に父の治世を引き継いだ。
ユルラシア王国はその後も長く歴史を紡いだ国であるが、国王ロイドと王妃アリシアの時代が長い歴史を持つこの国のすべての原点であり、現代においても見習うべき取り組みが多数見受けられると後世の歴史学者たちは見解を述べている。
さらに、全歴史学者たちは満場一致で口を揃えて言う。
国王ロイドと王妃アリシアの治世にユルラシア王国で生きた民は幸せであっただろう、と。
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