攻略不可能なクソゲーのヒロインに転生していたので、殺される前に離脱したい 〜溺愛ルート? 何それ?〜
そんな心配をしたけれど、マゼランは「わかりました」と言ってドレスを受け取った。
その瞬間、ずっと空中に浮かんでいた3つの選択肢の文字が消える。
消えた……!
選択肢以外を選んでも大丈夫なんだ!
意外な情報に希望の光が見えた気がした。
選択肢以外を選べるのなら、好感度を上げてクリアを目指すことも可能だからだ。
そもそも、選択肢が全部おかしいのよね!
たまに上がっても1%だけだったり!
このゲームの知識があれば、ある程度はうまく進めるかもしれない!
「どうかしましたか? 早く着替えますよ」
「あっ。わ、わかったわ」
いけない!
今はこの『令嬢ごっこ』で好感度を下げないようにすることだけ考えなきゃ!
ディランの言った通り、メイドは私にドレスを着せてくれるだけで、ヘアアレンジなどは何も手伝う気がないらしい。
ドレスを着せた後は、寝起き髪のままの私を置いてそのまま部屋から出ていってしまった。
まぁ、これも想定内よ!
私は急いでサイドの髪の毛をねじり、後ろで合わせてまとめる。
少しずつ髪の毛を引き抜いたら簡単ゆるふわハーフアップの完成だ。