平穏な生活を望む美貌の子爵令嬢は、王太子様に嫌われたくて必死です
これにはその場にいた全員が激しく反応した。
「お、お前もしかして……!!」
「なんてことです! 婚姻前に相手の令嬢を……っ!!」
「まぁ、それも納得ですわね。殿下は学園でもシェイラに迫りまくっていましたもの」
陛下と王妃様は顔を見合わせ、わなわなと震え出し、マルグリット様は悠然とした様子で納得げな声を上げた。
そしてこの展開に一番驚いているのが私だ。
……えっ、待って。この周囲の反応、私が懐妊しているって思われているの!? そんな事実ないのに! フェリクス様とは最近やっと口づけを交わしたくらいで、そんな、懐妊だなんて……!!
「マルグリット嬢がそう言うくらいなのだから事実なのであろうな。いやはや、こうなってしまっては結婚を認めざるを得ない。お前が一度決意したことを貫く性格だということは分かっておるから、わしらも反対するつもりはなかったのだ。ただ覚悟を問うためにこの場を設けたのだが……予想外にも程があるぞ」
「本当ですわよ。まさか普段は優秀な息子がこんなにも分別がないとは思いませんでしたわ。こうなってはもう一日も早く結婚なさい。多少無理はでるでしょうけど結婚直後のことだと誤魔化しましょう。諸々の調整はわたくしと陛下が行いますから」
「陛下、王妃様。シェイラに後ろ盾がないという心配はご無用ですわ。我がフェルベルネ公爵家が王太子妃になるシェイラを全面的に支持いたしますもの」
「おお、それは心強いではないか!」
「ええ、フェルベルネ公爵家が力になってくださるなら安心だわ。我が国はこの先も安泰ですわね」
「シェイラはわたしくの大切なお友達ですから、当たり前のことですわ。……それにシェイラが殿下と結婚してくれるおかげでわたくしもリオネルが手に入りそうですもの」
「コホンッ……マルグリット?」
「あら、失礼」
私が混乱状態に陥っているうちに、状況はどんどん先に進んでいく。
なぜかマルグリット様まで陛下と王妃様を宥めつつ、ノリノリで私とフェリクス様の結婚を後押しし始めた。
「お、お前もしかして……!!」
「なんてことです! 婚姻前に相手の令嬢を……っ!!」
「まぁ、それも納得ですわね。殿下は学園でもシェイラに迫りまくっていましたもの」
陛下と王妃様は顔を見合わせ、わなわなと震え出し、マルグリット様は悠然とした様子で納得げな声を上げた。
そしてこの展開に一番驚いているのが私だ。
……えっ、待って。この周囲の反応、私が懐妊しているって思われているの!? そんな事実ないのに! フェリクス様とは最近やっと口づけを交わしたくらいで、そんな、懐妊だなんて……!!
「マルグリット嬢がそう言うくらいなのだから事実なのであろうな。いやはや、こうなってしまっては結婚を認めざるを得ない。お前が一度決意したことを貫く性格だということは分かっておるから、わしらも反対するつもりはなかったのだ。ただ覚悟を問うためにこの場を設けたのだが……予想外にも程があるぞ」
「本当ですわよ。まさか普段は優秀な息子がこんなにも分別がないとは思いませんでしたわ。こうなってはもう一日も早く結婚なさい。多少無理はでるでしょうけど結婚直後のことだと誤魔化しましょう。諸々の調整はわたくしと陛下が行いますから」
「陛下、王妃様。シェイラに後ろ盾がないという心配はご無用ですわ。我がフェルベルネ公爵家が王太子妃になるシェイラを全面的に支持いたしますもの」
「おお、それは心強いではないか!」
「ええ、フェルベルネ公爵家が力になってくださるなら安心だわ。我が国はこの先も安泰ですわね」
「シェイラはわたしくの大切なお友達ですから、当たり前のことですわ。……それにシェイラが殿下と結婚してくれるおかげでわたくしもリオネルが手に入りそうですもの」
「コホンッ……マルグリット?」
「あら、失礼」
私が混乱状態に陥っているうちに、状況はどんどん先に進んでいく。
なぜかマルグリット様まで陛下と王妃様を宥めつつ、ノリノリで私とフェリクス様の結婚を後押しし始めた。