地雷カプブルー


 僕が冗談を飛ばしながら笑うたび

 「輝星かわいい」

 「ほんと好き」

 「ずっと一緒にいて」

 「俺のそばから離れないで」

 と、独占欲丸出しの霞くんが、僕の頭を撫でてくれてばかりだったけれど……

 はぁぁぁ、幸せな頃を思い出すのはやめなきゃ。

 余計にメンタルが闇に落ちちゃう。


 二人の楽しげな声を遮断したくて耳をふさいではみたものの、僕の聴覚は心とは裏腹だ。

 大好きな人の声を一言ももらさず聞き取ろうと敏感になっているから困りもの。


 「カスミはガキの頃から犬好きだったわけ?」

 「飼いだしたのは中学に入ってから。ペットショップで一目ぼれをしたんだ」

 「親は反対しなかったのか?」

 「どうしても飼いたくてね。勉強を頑張るからって言ったらOKが出た」

 「だからオマエ、テストで学年1位キープしてんのな。まぁカスミに可愛がられてるなら、その茶ポメはお姫様気分を味わい放題なんだろけど。オマエLOVEの高校の女子たちの耳に入ったら、その茶ポメは嫉妬でいびられるぞ」

 「そんな酷いことをする人なんてうちの高校にいないよ。あと名前があるから。かぐや」

 「やっぱり姫って」
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