地雷カプブルー
縮まる距離
☆輝星side☆
長時間雨を降らせる梅雨前線は、いったいどこに行ってしまったんでしょうか?
お願い、今すぐ戻ってきて、このお昼休みだけでいいから。
拝むように手を組み、空を見上げる。
「うっ、太陽まぶしいっ」
夏直前の太陽は直視注意だったなと、僕は反射的に目を細めた。
湿気を含んだ雨雲たちは、ギラギラな太陽の熱で蒸発してしまったのかもしれない。
湧き出る汗をぬぐうため、指先まで隠れるジャージの袖でおでこをおさえている時だった。
「なーにオマエ、そんな暑っ苦しいもの着て。日焼け防止? ついでにこれでもかぶっとけ」
人懐っこいを通り越して暑っ苦しい長身男子が、かぶっていたキャップを僕の頭に乗せたのは。
長めの前髪をワイルドにかきあげたのは、テニス部の奏多くん。
僕と同じ高3だけどクラスは違うし、まともに話しかけられたのは今日が初めて。
「つーかマジで暑いくね? 冷えたスポドリ一気飲みしてー」