振り向いて欲しくて〜初恋は甘くてちょっとほろ苦い〜

入学式

私、鈴宮夢愛。

ずっと憧れてたお金持ち学校に入学できたんだ!

この県内ではトップの進学校らしい。

しかも、全寮制。

しかも運の良いことに首席として入ることができたの!

首席と次席は学費も寮費も全てタダになるらしいから、このままキープできるように頑張ろう!

今日は入学式。

もう少しで学校に着くんだ!

「わぁー、大きい!!」

やっぱいつ見ても大きいなぁ

この学校に入れたことが嬉しすぎて、ついニコニコしてしまう。

だけどはっと思い出した。

首席だから、入学式に生徒代表の挨拶をしなければいけないんだった!

家でお母さんといっしょに何回も何回も練習したけど、人前に立つことが苦手な私はすごく不安。

もう1人、次席の男の子がいたいたらしいんだけど、拒否したんだって。

それにしても…

やっぱ私じゃ無理だよ

そんなこんな考えていたら、もう校長先生のお話が終わって、もう少しで私の番になってしまった。

「次は新入生代表の挨拶です」

私はそれを聞いて立ち上がった。

落ち着け、落ち着くんだ。私。

スゥーっと息を吸って私は読み上げた。

私の挨拶が終わると、みんなが拍手をしてくれた。

大丈夫かな。カタコトになってなかったかな。

そんな不安を押し寄せて、私は取り払うように、ぶんぶんと首を横に振った。




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