(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

18 夏合宿

 私たちは夏休みに入る当日、そのまま夏合宿へと向かった。

 引率の生徒会顧問、エッセル先生は私たちを合宿所まで連れて行くと『交流をして、楽しんでくれ! 解散!』と、自分は木と木の間にロープで繋がれたベッドで爆睡していた。引率とは。

 そんなので大丈夫なのと心配になるけど、生徒会に入れるってことは、学業優秀品行方正であることが第一条件だから、こんな感じでもトラブルは起こっていなかったのだろう。

 そして、南に位置するこの島は暑くて、男子三人は水泳でもしようと水着を着て砂浜に行った。

 フローラは庭師であるルークのために、南国にある植物をスケッチしに行った。

 好きな人に喜んで貰いたくて、一途だし……本当に良い子。そうなの。乙女ゲームの、ヒロインなんだけど。

 私は砂浜で楽しんでいる三人の姿を遠目で見て、今ここに居る自分しか楽しむことの出来ない光景をじっと見つめた。

 今ここにある、サービススチル。

 写真でも撮って売り出したら、きっと、高値で売れるかもしれない。その後、闇の組織によって消されるかもしれないけど……。

 私たち生徒会は、五人夏休みの開始一週間ほどをこの合宿所で過ごし、そして、帰寮して夏休みの宿題を終わらせたりする。

 そして、良くわからないことに、誰かが決めたスケジュールをこなしたりしなければいけないのだ。

 初日の今日は、島にある洞窟の中で、ちょっとした肝試しをする予定になっている。

 とは言っても、小さな洞窟だし、すぐに行って帰って来られる。

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