(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 ……あ。この人って、そういえば好感度上がるごとにあっまーい言葉吐くようになるのよね。多分、関わらないようにしている間に、彼の中での好感度がゼロへと戻り、少々の上昇があったのかもしれない。

「オスカー先輩……そう言うことを言うと、誤解されますよ。私だから、先輩が、そういうつもりではないって、わかっていますけど……」

 そういえば……イエルクにも偶然、この前に同じようなことを言ったわよね。

 あの子は本当にわかっていなかったけど、オスカーの場合、優しいから良くしてあげよう良くしてあげようと、甘い言葉がポンポンと飛び出すのだ。

 私はエルネストとオスカーから逃げ回られていたし、彼らからはそう言う意味での好意を向けられているってわかっている。

 けれど、私以外ならこういうことを言われたら、勘違いしてしまう。

「ごめんごめん……踊ってくれる? ロゼッタなら、大丈夫そう」

 ……オスカーは自分へねっとりとした恋心を向ける義姉への嫌悪感から、女性に触ることが出来ない。

 私はきっと範疇外だから、大丈夫なのかもしれない。

「良いですよ。オスカー先輩と踊れるなんて、光栄です」

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