(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 指輪に填め込まれたカメオ中央には美しい鷲が描かれていて、アクィラ魔法学園ゆかりの物なのかもしれない。

「別に、何の気配もしないな……逆に守護の力も感じる」

 鑑定でも魔法を使っているのか、エルネストの青い目は不思議に輝いていた。

「これを付けていたら、指輪に守られるということですか?」

「……そういうことだろう。まあ、好きにしろ」

 エルネストはすげなくそう言って、控え室に帰ろうとしたんだけど、私は彼の後ろに居る人を見て、エルネストの腕を掴んだ。

「……ロゼッタ?」

「エルネスト様、失礼を承知でお願いします! 私と一分一緒に居ていただけますか」

「……? 別に、構わないが」

 エルネストは首を捻りながら、その場に留まり、私は隣を通り抜ける数人は行ってしまうまで、息を止めていた。

 サザールは私のことを認識したはずだけど、隣にエルネストが居ること理解し、不機嫌そうに無言で歩いて行った。

「ありがとうございました。お忙しいのに、申し訳ありません」

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