(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
25 憎むべき敵
兄のサザールは妹ロゼッタの事が嫌いだ。というか、憎んでいる。
理由はわからないけれど、殺してしまいたいほどに憎悪している……?
それは、悪役令嬢ロゼッタの性格が悪くなるためだけの設定付けだったのかもしれないし、ゲームの内容なんて主要人物の軽い紹介くらいしかわからないから、ロゼッタの記憶を持っている私だってわからない。
けれど、あれは……どう考えても、やり過ぎだった。
身体能力が高いオスカーが庇ってくれたけれど、標的としていたロゼッタだけではなく、周囲に居る全員の命だって危なかったのだ。
あり得ない暴挙過ぎるし、絶対に許せない。
私が対抗戦が行われる闘技場にまで降りると、サザールが嘲るように声を掛けてきた。
「来たのか。ロゼッタ」
「……ええ。お兄様。よろしくお願いします」
相手にせずに私が冷静に返すと、サザールは私の事を睨んで尚も重ねて言ってきた。
「お前になんか、何も出来るはずがない。おこぼれで入れた生徒会でもどうせ、嫌われているんだろう」
鼻で笑ったサザールには何かの理由があって、妹のロゼッタを毛嫌いしているにしても、これは、あまりに酷すぎる仕打ち。
いくら中身が現代を生きた三十路でも、周囲の視線も気になってしまうような事を言われた。もし、これが普通にロゼッタが聞いていたら?
どれだけ何も悪くない妹を、傷つけるつもりなの。あまりに酷すぎるわ。
……私には何も言えないって、言わないってそう思って居るの?
「何を……」
理由はわからないけれど、殺してしまいたいほどに憎悪している……?
それは、悪役令嬢ロゼッタの性格が悪くなるためだけの設定付けだったのかもしれないし、ゲームの内容なんて主要人物の軽い紹介くらいしかわからないから、ロゼッタの記憶を持っている私だってわからない。
けれど、あれは……どう考えても、やり過ぎだった。
身体能力が高いオスカーが庇ってくれたけれど、標的としていたロゼッタだけではなく、周囲に居る全員の命だって危なかったのだ。
あり得ない暴挙過ぎるし、絶対に許せない。
私が対抗戦が行われる闘技場にまで降りると、サザールが嘲るように声を掛けてきた。
「来たのか。ロゼッタ」
「……ええ。お兄様。よろしくお願いします」
相手にせずに私が冷静に返すと、サザールは私の事を睨んで尚も重ねて言ってきた。
「お前になんか、何も出来るはずがない。おこぼれで入れた生徒会でもどうせ、嫌われているんだろう」
鼻で笑ったサザールには何かの理由があって、妹のロゼッタを毛嫌いしているにしても、これは、あまりに酷すぎる仕打ち。
いくら中身が現代を生きた三十路でも、周囲の視線も気になってしまうような事を言われた。もし、これが普通にロゼッタが聞いていたら?
どれだけ何も悪くない妹を、傷つけるつもりなの。あまりに酷すぎるわ。
……私には何も言えないって、言わないってそう思って居るの?
「何を……」