(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

26 決着

ーーーーその時に、私は不思議な力を感じた。温かな何かが、ふわりを私を全部包み込むような感覚。

 ロゼッタ・ディリンジャーは赤魔法を使う。これは、生まれた時の性質によるもので、彼女が選べるような話ではない。

 髪の毛や瞳の色と同じようなもので、それは変えられない。

 赤魔法の上級魔法を使うことは出来るけれど、それ以外の魔法は使うことは出来ない。だから、その時に私は補助魔法を誰かかが掛けたのかと思った。

 周囲を見渡してもそんな様子はないし、向こうの方で強敵と戦うエルネストや三年生の先輩たちだって、こちらを見る余裕すらない。

 もしかして……さっき身に付けた鷹が描かれた、あの指輪?

 右手を見れば青い光が取り巻き、まるでその中に居る鷹が動いているように見えた。

「……何? これ……」

 指輪が光を放っている。指輪の中に、封じられた魔法……? 私の、魔力を増幅させるような、不思議な光。

「ディリンジャー先輩!? どうかしたんですか?」

 近くに居る私の動きがおかしいと察したイエルクは、不思議そうにこちらを見ていた。

「なんでもない! あの結界に、穴を開けるわ!」

 私の赤魔法を一点集中させた。予想ではそこに小さな穴が開けば良い程度に思って放った魔法……それが、私たちに相対するグーフォの学生二人を囲む結界を焼き尽くすなんて、思いもしなかった。

「なっ……!」

「嘘だろ!?」

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