(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!

04 取り巻き解散

 私は鏡の前でシュッと衣擦れの音をさせて、光沢のある赤いリボンを胸元に蝶々結びで結んだ。

 昨日、学園の生徒全員の入寮を済ませ、今日から本格的に登校する日。二年生になったので、念願の一人部屋を使うことが出来る。

 二年生は赤クラスなので、赤いリボンの制服だ。同じように赤クラスの男子は、赤いネクタイを締める。

 リボンとネクタイで、ひと目で誰がどのクラスなのかを知ることが出来るので、制服は可愛いだけでもなく、実用性にも優れていると思う。

 膝丈で一見ショートコートのような素材で出来た灰色のワンピースの制服は、可愛くてお気に入り。その上から、魔法使いらしく紺色のフードの着いたローブを羽織って、アクィラ魔法学園の登校スタイルの出来上がり。

 アクィラ地方の気候は、夏でもあまり気温が上がらないので、この制服で一年間過ごす。衣替えなどしなくても、これで十分なのだ。

 鏡の前で、くるりと回って全身をチェックする。

 ……うん。可愛い。

 家族関係が上手くいかず性格が非常に残念だっただけで、ロゼッタは可愛いのよ。本当に。

「……顔は可愛いんだけど、性格と振る舞いが本当に残念なんだよね」

 鏡に映る自分を、コツコツと人差し指で叩く。

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