(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 まだ寮生活に慣れない彼女は、ちょうど良い時間帯がわからずに、早めの時間に食事を取りに来たのかもしれない。

 ……あ。もう仲良くなっているはずの、サポートキャラになるおさげでメガネの女の子デイジーとも、一緒に居ない。

 そういえば、王族で生徒会長のエルネストを怒らせてしまったって、あの出会いの後食堂で落ち込んでいたら、彼女が慰めてくれて仲良くなるという流れだっけ。

 ……待って待って。これが、蝶の羽ばたきが台風引き起こすと言われる、バタフライ・エフェクトなのかしら。

 あの毛虫が遅刻して落ちて来なかったというだけで、こんなにも先の展開が変わってしまうなんて……。

「まあ……ロゼッタ様、おはようございます。早いですね」

 あら。私に挨拶をしてきたのは、ステファニーだわ。悪役令嬢らしく、ロゼッタには取り巻きが三人居るんだけど、その中の代表的な一人。

「おはよう。ステファニー」

「本日は、どちらの席で食べられますか?」

 そうやって私のご機嫌を取るように、感じよくにこにこしていても、ロゼッタだって何も言わないだけで、貴女が何考えているか知っているのよ。

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