(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
「私一人だけが、とある教師の犯罪行為を知っているんだけど……それを、防ぐ解決法がわからないの。自然と解決するはずだった道も、今では訳あって閉ざされてしまった。けど、ほんの少しの情報しか知らない私は……これから、どうすれば良いかわからなくて」

 随分とふんわりした事情説明になったけど、これ以上話すと、前世がどうの乙女ゲームがどうのという話になるし話せない。

「うーん。そうだね。ここはひとつ魔法警察に、通報する?」

 人差し指を上げて提案した彼だって、どうしようと悩んでいた私と同じように、それが当然だろうと思ったみたいだ。私は首を横に振って、それは出来ないと否定を示した。

「それは駄目。犯人はとても警戒心が強いし、彼が計画を実行するタイミングがわからない。もし、捕縛するのに証拠が足りず一度失敗してしまえば、もっと用心深くなってしまう。そうなってしまえば、もう何の手も打てなくなってしまう」

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