(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 きらきらとした光が灯る紫の目にはくもりなく、何の悪意も見えなくて、私はついつい何もかも打ち明けたくなってしまった。

 ……けど、まだこの彼を信用なんて、出来ない。今の時点でも、名前すら知らないのに。

「その通りよ。自分がそれをして、成功しているビジョンを、想像しづらいっていうか……とにかく今のところ、目に見える何もかもがマイナス要素ばかりだし、動くにしても……必死で闇雲にやるしかないもの」

「……手探りだとしてもやるしかないけど、君は自分で解決したいんだね?」

 なんだかんだ言っても、そうだと思う。誰かの手を借りるとなったとしても、どうなったか気になって眠れないだろうし……それならば、自分が当事者であった方がまだましだろう。

「そうなの。けど、私には、全然勇気が足りなくて……とても嫌われている人に、また親しくなるように働きかけたり……周囲から見れば意味のわからない事をしないといけなくなるの。唯一、それを知っている私が、何かやらないといけないことはわかっている……けど、まだ勇気が出ない」

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