(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 けど、今の私なら、頑張れる。

 むしろ、女性には紳士的な性格のエルネストに、ロゼッタは良くここまで嫌われたものだと思う。

 男性の意向を完全無視して、自分勝手なドリーム妄想をたびたび披露していたら、こうなってしまでしょうという悪い見本として、恋愛の教科書に載っても良いと思う。

 別に今の私が望んでしたことでもないけど、周囲から見れば私っていうか、ロゼッタがやったことになっている訳で……やめてやめて。

 あんな……好きな人の意志を完全無視で自分勝手な行動をしてたなんて、本当に考えたくない。

 けど、今の私にはゲーム内に用意された最後の困難を防ぐことが上手くいけば『イケメン魔法使いと竜で行く★世界中を巡る美食ツアー』に行く権利が与えられるのだ。

 だから、そのためにはどんな目で見られても、大丈夫。受け入れ難い困難があったとしても、絶対に勝ち取りたい。

 次なるターゲット、オスカーは二年生で黄クラスなので、教室前の廊下で待ち構えていると、彼が私の顔を見つけ大きく目を見開いていた。

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