(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 そういえば、イエルクはゲーム内ではフローラと仲良くなった後も、彼女以外とは仲良くならなかった。

 きっと、純真な彼女と初めて仲良くなって、周囲からイエルクを見る目が変わり、色々とあって警戒することを覚えたからなのもしれない。

 だから、多分……私に向けるイエルクの好感度って、10くらい? それ以下? まだまだわからない。うーん。さっき名前を知った程度だもんね。

 イエルクという希望は奇跡的に繋がったんだから、これから、どんどん好感度を上げていきたい!

「そうそう! そうなの。変なお願いしたのに、引き受けてくれて、ありがとう。イエルクくん。私、勉強苦手て……けど、同級生に教えても言えないでしょう? 困ってたから、助かる……!」

 最後の困っていたは、本当に本音。困ってたの。本当に、助かるー!

 もう無理だし、絶望でしかないと思ってからの、まさかの救いの手だったから、九死に一生スペシャル並みの奇跡だよ!

 実際のところ、私と同じ学年には、万年首位のエルネストが居るから、たったひと月で彼から首位を奪い取るということは不可能に近い。

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