(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 正攻法で生徒会に入るのは、絶対に無理なんだと思う……でも、勉強を教えてとお願いしてイエルクと親しくなれるなら、とりあえず……このラインで、どんどん攻めて行きたい。

「いいえ。大丈夫ですよ。実力テストの結果次第ですが、僕ももしかしたら生徒会に入るかもしれないので……ディリンジャー先輩と一緒ならとても心強いです」

 はにかみながらそう言ったイエルクの笑顔が可愛い。

 ……え。待って。今、ときめいたかもしれない。さすが、乙女ゲームの攻略者。

 けど、入試の成績が首位で入学生代表を務めたイエルクの言葉をもう一度噛み締めて、ここまでそれに気が付かなかった私が間抜けすぎて、自分の頭をぽこぽこと叩きたくなった。

 っ……私の馬鹿ー!

 イエルクは当然のように生徒会入りするし、そつなく優秀なヒロインフローラだって、ゲーム関係なくそうなる可能性も高い。

 だとしたら、私だって生徒会に入れば、仲良くなりたい二人と行動も共に出来るし、良いことづくめなのでは?

< 53 / 158 >

この作品をシェア

pagetop