(総愛され予定の)悪役令嬢は、私利私欲で魔法界滅亡を救いたい!
 それならば、誰かに手に入れて貰えば良いとも思うけど、双月草の市場価格は、目が飛び出るほどに天文学的な高額で……購入して提出するという道は絶対無理、これで消えた。

 生徒会に入ろうと思い立った、次の日。

 朝登校してすぐに、職員室へ向かい、エッセル先生を呼びだして生徒会への推薦条件を聞き絶望的な気持ちになってトボトボと廊下を歩いた。

 ……待って待って。

 だって、ヒロインフローラの推薦条件って確か……声を変える魔法薬を調合することじゃなかった?

 悪役令嬢ロゼッタに比べて、なんて簡単な条件なの……! 乙女ゲームヒロインの難易度補正があまりにも強すぎでしょ!

 アクィラ魔法学園では、生徒会は選ばれし人たちの集団という見方が強い。いわゆる、生徒会はトップアイドルで、他はモブという立ち位置かしら。

 そもそも、学力と戦闘力という実力で選ばれているので、誰も何の文句も言えないのだ。

 そこに、モブが自分から『目立つ生徒会(アイドル)になるために、自分を推薦して欲しいです!』なんて、なかなか言えるものではない。

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